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DDSを活用した事業再生事例

  • 執筆者の写真: 匠 遠藤
    匠 遠藤
  • 1月5日
  • 読了時間: 3分




赤字や債務超過の状態が続くと、追加融資が難しくなり、資金繰りが先細りしやすくなります。

一方で、財務改善は「コスト削減」だけでは解決しないケースも多く、返済負担の設計(金融機関との合意形成)が再生の成否を分けます。


本記事では、DDS(Debt Debt Swap)と 資本性劣後ローンを組み合わせ、赤字・債務超過企業の財務を立て直した匿名事例をご紹介します。



1. 企業概要


業種:BtoBサービス業(固定費比率が高く、売上変動で利益が振れやすい構造)

課題:赤字が継続し債務超過が進行。金融機関からの追加融資が出にくい状態



2. 改善前の状況(概要)


年商:約2.4億円

営業利益:▲2,000万円(赤字)

純資産:▲5,000万円(債務超過)

借入金:約1.6億円(複数行)

年間返済額:約1,800万円(返済が資金繰りを圧迫)


資金繰りが逼迫し、採用や投資が止まり、売上回復の打ち手も打てない――

いわば「守りに入った瞬間に、さらに弱る」状態でした。



3. 施策:DDSで既存借入の一部を資本性劣後ローンへ入れ替え


DDS(Debt Debt Swap)とは


DDSは、既存の借入の一部を、条件の異なる借入へ「入れ替える」手法です。

本事例では、既存の通常融資の一部を 資本性劣後ローンに置き換えることで、次の狙いを同時に実現しました。


返済負担の軽減(資金繰りの止血)

金融機関評価上の財務改善(資本に近い資金として扱われる余地)

再生計画を実行する時間と原資の確保



4. スキーム概要(例)


既存借入 約1.6億円のうち、8,000万円をDDS対象とし、資本性劣後ローンへ入れ替え。


期間:10年(長期)

返済:当初数年は元本返済を抑制(据置・期限一括等を組み合わせ)

金利:業績連動型(赤字時の負担を抑え、黒字化で段階的に調整)

劣後性:万が一の際、一般債務より返済順位が後ろ


※ポイントは、債務免除ではなく 「条件設計の変更(入れ替え)」で実態を改善すること。金融機関にとっても合意形成しやすい枠組みになります。



5. 導入効果:資金繰りと金融機関評価が同時に改善


効果①:返済負担が軽くなり、資金繰りが改善


年間返済額は、

約1,800万円 → 約900万円程度まで圧縮(例)


これにより、目先の資金繰りを止血し、再生計画の実行原資を確保しました。


効果②:金融機関目線で「資本に近い資金」として評価されやすくなる


会計上は借入ですが、資本性劣後ローンは、金融機関の評価・管理上、

自己資本に準じた性格を持つ資金として見られるケースがあります。


結果として、

「債務超過だから追加融資は難しい」から

「再生計画が成立し得る」へ、金融機関との対話が前進しやすくなりました。



6. 財務改善の実行:DDSは“計画が回る状態”を作るための手段


DDSで時間と余力を作ったうえで、再生施策を並行して実行しました。


不採算領域の縮小・撤退(固定費削減)

粗利改善(価格改定/外注・仕入条件の見直し)

KPI管理(案件別採算、解約率、回転率の可視化)

月次モニタリングを金融機関と共有(信頼性の担保)



7. 結果(例):18か月で黒字化し、債務超過解消へ道筋


6か月目:月次営業黒字化(小幅でも「継続」が重要)

12か月目:営業利益 +1,000万円水準へ改善(年換算ベース)

18か月目:純資産 ▲5,000万円 → ▲1,500万円まで改善(損失圧縮+利益積上げ)


金融機関との関係性も、「延命」から「再生支援型」へ転換し、必要な運転資金の検討が進む状態になりました。



8. まとめ:DDS×資本性劣後ローンは「止血」と「再起」を同時に作る


債務超過企業の再生で最も重要なのは、


資金繰りを止めない(止血)

再生計画を実行できる余力を作る(再起)

金融機関が計画を信じられる形にする(合意形成)


この3点を同時に満たすことです。

DDS×資本性劣後ローンは、返済設計と信用力の立て直しを同時に狙える、実務的な選択肢となり得ます。

 
 
 

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